スケッチアップを使った既存建物とVR建築の重ね方 How to overlap existing buildings and VR architecture

Meta Quest の建築VRアプリ、Sketchup Viewerを使った既存建物と VR 建築の重ね方の実験レビューです。2024年4月からパススルーモードが通常版でも解禁されてMR(Mixed Reality)が出来るようになりました。コードなしで既存建物のなかをVR空間を重ねて動けるので、かなり具体的な体験を出来たように思います。また通常のVR体験と違って、既存の上に重ねているので、周囲の音環境や温熱環境といった視覚情報以外の情報も感じることができるので、設計における現場でのVRの意味というのもありそうだと思いました。

スケッチアップを使った既存建物とVR建築の重ね方 How to overlap existing buildings and VR architecture

Sketchup Viewer を使って 既存建物 と VR を重ねる

Sketchup Viewer を使って 既存建物 と VR を重ねる

今回の3Dモデルは松山市にある昭和な既存の木造建築と重ねるため、重ねる場所決め・調整用に軸組みをレイヤーで分けて表示できるように最初にセッティングしました。VRで3Dモデルを重ねた時に、どうしても表示しているモデルの影になる現実空間は表示させることが出来ません。本当は見せなくて良いDモデルの要素が表示されたり、現実空間が不自然に切れてしまったりということが良く起こります。改修の計画の時にVRを使う時は、出来るだけ要素を分解できるようにしておいた方が一度に色んな確認が済ませられるように思います。
既存建物にVRを重ねるために使う操作は モデルの移動 と 回転 です。普段のVR体験でテレポート機能を使って移動をしている人には、ほとんど馴染みのない機能ではないかもしれません。モデルの移動 と 回転 の操作方法がわからない方は「Sketchup Viewer for Meta Quest の使い方」をご確認ください。
Home画面でモデルを選択して、データを読み込みます。データを読み込んだら、ピンを落として没入モードに入ります。没入モードに入ったら、Yボタンを押してパススルーモードにします。高さ方向が合うようにグリップボタンを押して、3Dモデルを移動させます。高さがある程度合ったら、平面の軸を合わせるための回転の基準を決めます。基準を決めたら、基準に合うように両手のグリップボタンを押して回転、片手のグリップボタンを押して移動を繰り返します。平面の軸が合ったら、コントローラーを基準に使って、微調整を行って、終了です。

VR を既存建物に合わせる。移動させて高さを合わせる
3Dモデルを移動させて高さを合わせる
VR を既存建物に重ねる。回転させる。
回転させて平面の軸を合わせる
Sketchup Viewer を使って 既存建物 と VR を重ねる
コントローラーを基準に微調整する

既存建物 と 3Dモデル を重ねた VR体験の際の境界線設定

既存建物内で歩くので、基本は既存建物の平面の輪郭をなぞればOKです。袖壁のようなものは壁厚を描いて、家具などがある場合はその設定をするのも良いかもしれません。今回はじめて2階建ての上下をまとめてVRで移動して気づきましたが、残念ながら境界線設定は高さ方向にも限度があるようで(たぶん床から2m程度とかだと思われます)、ゴーグルが高さ方向の境界エリアを外れると、Sketchup Viewerのアプリが切れます。

そのため、5m角の境界線内に2層分がある場合でも、連続してVR体験をしたい場合は開発者モードで境界線設定をOFFにする必要があるようです。但し境界線設定をOFFにすると、当然ながら3Dモデル上にない壁や家具などは目の前に表示されないので、しっかりとキレイにしてからVR体験をするか、注意しながら動くかする必要があります(境界線設定のOFFは自己責任で行ってください)。

Sketchup Viewer を使って 既存建物 と VR を重ねる。既存建物 と 3Dモデル を重ねた VR体験の際の境界線設定について。

その他のインフォメーション

Meta QuestでのVR用にSketchupのPC上でのモデリングの注意点、すぐに試してみたいけど3Dデータがない方向けの3D Warehouseの使い方に関しては、
別の記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。
Sketchup Viewer Meta Quest, How to modeling
Meta Quest Sketchup 3D Warehouse を使った 無料 建築VR 体験

建築VRにご興味がある方がいらっしゃったら、体験モニターを募集中です。
ご希望の方はコンタクトフォームより問い合わせください。

VRの参考動画はyoutubeにもいくつかアップロードしていますので、よろしければ参考にしてください。
youtube再生リスト:Sketchup Viewer for Meta Quest で VR を試してみた