Sketchup Viewer for Meta Quest の使い方 How to do, Sketchup
没入モード
没入モードでは1/1スケールで3Dモデルで作成した建築のスケール感を体験することができます。基本は歩いて動いて体験するのがベストですが、境界線が最大でも5m角しかないので、どうしても歩行エリアの限度を建築の大きさが超えてしまうため、テレポートや移動を駆使しながら歩行エリア内で体験を行う必要が出てきます。実際にやると感じると思うのですが、テレポートは視点変更がしやすく便利な反面、体験としてPC上での場面転換と似たようなところが出てくるため、多用し過ぎると無理にVRで確認する必要があるか?という側面も出てくると思います。このあたりも目的に応じてツールを使い分けていくのが適切なように思います。
没入モードに入りとメニューバーの内容が少し変わります。視点の高さを上下させるボタンと、テーブルトップ画面へ戻るボタンが増えます(動かしたモデルをテーブルトップに戻すボタンは消えます)。視点のテレポートとは前のテーブルトップ画面の時の同じようにメニューバー/カメラの配置ボタンを押してトリガーボタンを押すか、ジョイスティックを前に倒して放すかの二種類。慣れてくるとジョイスティックでの操作を使うようになると思いますが、使い始めはいきなり想定外のところにテレポートしたりするのでカメラ配置ボタンを使うのが無難かもしれません。
テレポートと同様にパススルーの切り替えもYボタンでも行えます(画面上のYボタンはパススルーの目のアイコンに変わってるのでわかりやすいと思います)。beta版の場合は影が少し付くので、周囲との違和感が多少軽減されます。ただ影の描画分、データ処理が重くなっているので、重い3Dデータでは動きが悪くなり、酔います。このモデルではわかりにくいですが、パススルーモードにすると、透明表示のところに周囲の風景が映るため、なんとなくガラスっぽく見えるようになります(最初のファンズワース邸の動画を参照ください)。






実際にVR体験をした動画です。今回は境界範囲が狭いため、境界の際に来た際にはグリップボタンを使ったMove/移動を利用して、モデルを動かすことで境界エリア内でモデルを確認できるように適宜調整しています。また階段や段差などの上下方向の動きもグリップボタンを押しながら上下させることで、実際に段差を昇降しているような動きを再現することができます。また大きなモデルの場合はグリップボタンを押しながら腕を振ることで、その場に静止しながら、歩いて前に進んだり、後ろに戻ったりするような動きを再現することも可能です。個人的にはジョイスティックによるテレポートを使うよりも、こちらのグリップボタンによる移動を使った方がVRらしい空間体験が可能となると思います。ただ手間がかかるので、楽したいときはテレポートがおすすめです。
メニュー画面からタグ(レイヤー)やアウトライン(グループ、コンポーネント)による表示のONOFFの切り替えができるので、検討の際などにパターンの切り替えがこちらで出来ます。ただし、データ容量に限りがあるので、大規模なパターン替えのときはデータごとに行った方が表示のストレスが少なくて済むと思います(表示が乱れたVRをやると、かなり酔って気持ち悪くなります)。またメニューバー、メニュー画面のメジャーを使うことで寸法を測ることができます。
2024年5月からアンビエントオクルージョン機能がBeta版だけでなく、通常版でも使えるようになりました。画面の描画の精度・解像度もこれまでのbeta版同様に上がった気がします。その影響で重たいモデルの動きが悪くなった印象もあります。アンビエントオクルージョンのON/OFFはBボタンから切り替えできます。PC版のように強度や距離のコントロールができないので、モデルによって機能が合う合わないが出てきそうですが、メリハリを出したい時に使えます。上の動画とパススルーモードを説明している画像の一部がアンビエントオクルージョンを使った場合の画面になります。
その他、コントローラーのボタンの説明のまとめを図にしているのでそちらをご覧ください。Oculusボタンのアプリ切り替え・終了とMenuボタンがどちらが右でどちらが左かがいつになっても混乱するのは、私だけでしょうか。あと、Menuボタンを押してもメニューバーが出てこなかったり、頭上に表示されることがたまにあります。(原因は不明)

建築のVR体験はプレゼンテーションや設計検討の際はもちろんですが、建築教育・建築学習の面で重宝するツールだと思います。これまで名建築の図面のトレースや模型製作によって建築家の設計過程を追体験していく学び方が、3Dモデルを立ち上げる方法へと変わっていっていると思います。それでもPC上での3Dモデルの表示はカメラで建築を撮った際のイメージ(静止画も動画も)は把握しやすかったですが、実際に建築に立ったときの感覚は補完してあげないといけなかったものが、VRによって全てではないにしても、近いところまで追体験可能になったように思えます。これの面白いところは、3DモデルをつくりながらVR確認をしていくと、現場確認の様子の追体験的なことが可能となってくる部分で、どの要素が、空間体験に対して、どのように影響を与えているのか、2Dレベルから3Dレベル、VRとそれぞれの視点から検証していけるので、時間と手間はかかりますが今後もより良い学習方法の一つになっていくように思えました。またVR体験をすると、より建築を見に行きたくなるというのも、やってみて見えてきた発見でした。
関連ページ
Meta QuestでのVR用にSketchupのPC上でのモデリングの注意点、すぐに試してみたいけど3Dデータがない方向けの3D Warehouseとsketchfabの使い方に関しては、別の記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。sketchfabは3dmodelを共有するSNSなのでブラウザーのみで楽しむことができ、より手軽です。VRも対応しています。
Sketchup Viewer Meta Quest, How to modeling
Meta Quest Sketchup 3D Warehouse & sketchfab を使った 無料 建築VR 体験
建築VRにご興味がある方がいらっしゃったら、体験モニターを募集中です。
ご希望の方はコンタクトフォームより問い合わせください。
VRの参考動画はyoutubeにもいくつかアップロードしていますので、よろしければ参考にしてください。
youtube再生リスト:Sketchup Viewer for Meta Quest で VR を試してみた
sketchfabにアップロードしている3Dモデルはこちらからご確認ください。
sketchfab 3Dmodelリスト
10日程前にSketchup Viewerを使用した時には3Dモデル内を移動できたのですが、現在はコマ送りのようにしか移動できない仕様になってません?
コメント頂きありがとうございます。コマ送りのようになっているということですが、今のところこちらではこれまで通りの表示ではあるのですが、考えられる原因として、アップデートでアンビエントオクルージョンがよりキレイに表示されるようになった、というようなことが描かれていたので、その影響で重いモデルを見たときにガクガクしやすくなった、ということはあるのかもしれません。この現象は以前からこちらでも把握していて、パススルーとアンビエントオクルージョンを同時に使うとガクガクしたり、と どちらもメモリー食う仕様であるためと思います。
こちらで録画した動画を共有致します。アンビエントオクルージョンのONOFFで若干動きがガタつくのがわかるでしょうか? https://youtu.be/V377BvVPH0E
リンクが張れてませんでしたので、その部分再送致します。
https://youtu.be/V377BvVPH0E
ご返答ありがとうございます。
カクツキは全くありませんのでそこは問題ないと思います。共有していただいた動画と同様な動きをしています。以前左のジョイスティックを前に倒してスムーズに移動した動画も残ってますので仕様が変わったのは間違いないと思います。同じデータで試しましたがテレポートしかしません。アップデートで仕様が変わったのでしょうね。もうわけがわかりません(笑)
お手数おかけしました。ありがとうございました。
ご返信頂きありがとうございます。「ジョイスティックを前に倒してスムーズに移動」でしたら、プレゼンテーションモードを使用していた可能性はないでしょうか?コントロールパネルの再生ボタンみたいなやつを押せば、プレゼンテーションモードに切り替わり、ジョイスティックを前に倒すとレーシングゲームのように移動していきます。
何度も申し訳ありません。プレゼンテーションモードで試してみたらできました。何も理解せず感覚的にソフトを扱ってました。本当にありがとうございます。また、本当にお手数をお掛けして大変申し訳ありませんでした。重ね重ねありがとうございました。
いえいえ、お役に立てたようで何よりです。sketchupはPC版もそうですが、直感的に使える反面、マニュアルの不足感がすごいので、経験を補い合うのが吉だと思ってます。自分の場合、プレゼンテーションモードをすると繊細なジョイスティック捌きができないのでコースアウトして壁に激突の連続になってしまうので、普段使っておらず、ちゃんとこの機能を使いこなす方がいらっしゃるということを知れて有難いです。こちらこそ、ありがとうございました。